非抜歯で行う矯正治療
当院では、「非抜歯矯正」を実現するための治療に力を入れています。ただし、矯正治療において、歯を移動させるためにスペースを確保する必要があるため、抜歯が不可欠な場合もございます。しかし、歯並びの治療において、健康な歯を抜くことに躊躇する患者様は少なくありません。当院では、成人の矯正治療においては、抜歯を回避しつつも歯を後方に移動させるために歯科矯正用アンカースクリューなどの方法を探求します。また、小児の矯正治療では、成長期の力を利用して歯列の幅を拡げたり顎の前方への成長を促したりすることで、抜歯を回避し、歯が正しく並ぶためのスペースを確保する方法を検討しています。
非抜歯矯正治療のメリット
非抜歯矯正治療は、歯を抜く必要がないため、精神的な負担が軽減されるなど、様々な利点があります。
- 健康な歯を抜かずに済むため、自然な歯を保持できます
- 歯を抜くために必要な時間や費用がかからないため、治療プロセスがスムーズに進みます
- 抜歯に対する不安や心配が無いため、治療期間中の精神的な負担も軽減されます
非抜歯矯正治療のデメリット
非抜歯矯正治療には、他の矯正治療に比べて歯並びの改善が不十分になりやすいなど、いくつか留意点があります。
- 非抜歯矯正を無理に行い、歯の並ぶスペースを確保しない場合、後戻りしやすくなる傾向があります
- 歯の配置に十分なスペースを確保せず非抜歯矯正を無理に行うと、口元が前に突出することがあります
- 歯の並ぶスペースが不足していると、望ましい治療結果を得ることが難しい場合があります
- 治療期間が長引く可能性があります
非抜歯矯正治療の方法
奥歯の遠心移動(奥歯を後方へ移動させる)
「歯科矯正用アンカースクリュー」という特殊なねじ状の装置(矯正用の専用インプラント)を奥歯の歯肉に埋め込み、それを固定点として歯を引っ張り、後ろに移動させます。通常、歯を固定点にすると互いに引っ張り合う力が働き、それによって固定点の奥歯も前に動いてしまいますが、歯科矯正用アンカースクリューを使うことで、目標の歯だけを移動させることができます。この歯科矯正用アンカースクリューは、非常に小さくて細いため、体への負担がほとんどありません。また、治療が終わったらきちんと取り外し、痕も残りません。
ディスキング・IPR(歯と歯の間のエナメル質を薄く削りスペースを確保する)
歯と歯の間のエナメル質(歯の表面組織)を0.2~0.5mmほど薄く削り、徐々にスペースを確保する「ディスキング」を行います。これは、「ストリッピング」または「IPR(Interproximal Enamel Reduction)」とも呼ばれます。たとえば、1本あたり0.3mm削ると、歯2本の間には0.6mmのスペースが生じます。削った部分は、虫歯にならないようにしっかりとフッ素コートを施します。エナメル質は1~2mm程度の厚みがあるため、削る範囲がわずかであり、歯の寿命を縮めることはありません。
歯列のアーチを広げる
歯列のアーチが元々狭い場合、アーチ全体を外側に拡大することで、歯を綺麗に並べるためのスペースを確保します。また、歯槽骨が何らかの原因によって倒れてしまい、歯列がV字型に変形している場合には、それを本来のU字型に修正して、歯が適切に並ぶようスペースを拡大します。
すべての診療は事前予約制です
当院では、日本矯正歯科学会認定医の院長が、矯正治療を専門に担当しています。
矯正歯科治療は、単に歯を整えるだけでなく、顔のバランスや適切な咬み合わせを考慮した歯科治療です。患者様の状況や希望に合わせて、幅広い治療プランを提案しています。
まずはカウンセリングでお気軽にご相談ください。